2006年06月

再び阿南窯の復活を考える

現在のところ商工業製品として経済的には、なりたたない薪を燃料とした陶芸でも、趣味や芸術品作りには良いようなので、インターネットによって愛好家を全国から集め、グルーピングしていくつかのグループに分け、温度プロファイルも事前にインターネット上で調整して、薪の量が許す範囲でしかできませんができる限り焚いてみるという事ができれば、もし品質上の問題があったとしても、タグチメッソドを使い最小の実験回数で最適条件をつかむと言うようにできる可能性があるので、町おこしとしては無から有を生むと言うのではなく、今ある物を横展開と言いますか利用回数を増やし品質を向上させ、街の活性化に役立てることができるので是非具体的に取り組んでいただきたいと思います。このとき全国的な市場調査が必要ですが、多くの賛同が得られた時のグループ編成、技術的打ち合わせ、品質改善が必要な時の実験結果の統計処理、これらを従来の紙と郵便、電話などに頼っていたり、電卓に頼っていたのではどうにもならないのでその辺の検討を明日して見ます。

トルストイ、「アンナカレーニナ」と田口メソッド

「田口メソッド我が発想方法」(経済界社)p200で、田口先生がどんなきっかけで「アメリカを救った田口メソッド」のアイデアをつかんだかが記されています。アンナカレーニナの冒頭の一節で『幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである』(木村浩訳、新潮文庫)この一節を読んで、工業製品の不良対策を行う時、不良品を集めて不良品の集団分布を調べているが意味が無い、不良品には寸法が大きすぎて不良な物もあれば、小さすぎて不良なものもある。だが良品だけは非常に似かよっている。だから調べなくてはいけないのは、良品の項目の分布を研究し個々の不良品のとの距離を図ることが最も重要なことであるとしています。詳細は是非本を買って読んでいただきたいと思います。私には難しくて分かること判らないこがといっぱいあるのですが、今まで現役の時やってきたことと反対のことが書いてあり、じっくり勉強してみたいと思いました。理解できるようになれるかどうかは分かりませんが。こうなりますとアメリカを救ったきっかけを作ったのはトルストイも一役買っていたということになり、なるほどと思った次第です。

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アメリカを救った方法での実験

伊奈製陶での改善事例が、昨日ご紹介した本の67ページから書いてあります。当時の伊奈製陶で困っていたことは、トイレやお風呂に使うタイルをほぼ均一の寸法に焼き上げようと最新式の窯を輸入してのだがどうもうまく焼けない。窯の位置により温度差がありその結果品質のバラツキが出てしまう。これを何とかしようとしていたのですがどうにもならない、そこで田口玄一先生に改善を依頼したとの事です。
ここで先生がしたのは、調合条件を変えて場所による焼成寸法のバラツキを小さくするということで、狙い値を決めて、場所による温度差のバラツキを小さくするという方法をとらなかったのです。専門用語で言いますと焼成場所をノイズ因子、タイルの調合条件を制御因子と呼び、この二つの因子の組み合わせの作用を交互作用と言うとのことで交互作用に着目して改善をした結果、それまで20%程度あった2級品を0にできたとの事。またこれが問題で、当時タイルを買ってくれた大口の日本住宅公団は、2級品しか買い付けなかったので、これをどうするかでもめて、生産速度を上げて必要な割合の2級品ができるまでスピードを上げて問題を解決したとの事。当然生産数量が大幅にアップして利益に繋がったわけです。阿南窯で品質上の問題があった場合、同じことができるかどうかは分かりませんが、解決できる可能性はあると言えると思います。

もし阿南窯、品質にバラツキがあったら

品質にバラツキがあって、大変良い時とそうでないときがあるといった場合は、最適条件を復元させる研究すれば良いことになります。そうではなく窯内の温度コントロールや焼き物を置く位置により出来上がりに差が出るというような場合難しくなります。これも今度行った時お聞きしようと思います。

この記事を書いていて思い出したのが、実験計画法とか田口メソッドで有名な田口玄一先生の書いた「タグチメッソッドわが発想方法」という本です。田口玄一先生といっても知らない方もいらっしゃると思いますのでご紹介しておきますと、アメリカを蘇らせた男として評価され、アメリカの自動車殿堂入りを本田宗一郎氏、豊田英二氏についで3番目になした人で、たいした人です。この先生が、伊奈製陶(現在の(株)INAX)で素晴らしい考え方で実験し、莫大な効果があったとのことです。明日はこの所をご紹介します。まだお読みになっていらっしゃらない方がいましたら、アマゾンで売っていました。

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甘かった阿南窯復活構想

近くの陶芸家にお聞きしたところ、いろいろ大変だということが分かってきました。思いつきでご提案しなくて良かったと思いました。お忙しいところにお邪魔して何も知らない素人が貴重な時間を潰してしまうところでした。

先ず燃料、薪の場合は赤松が必要でこの消費量が半端なものではないとの事、阿南窯のおおよその寸法と、3日3晩焚くとお話したところ、その大きさなら1回に赤松400~500万円は必要との事。

また、粘土の素材、作る陶器によっても焚き方が違い、長いものでは1週間近くかけてじっくり焼くものもあるとの事。

同じ種類の陶器を焼くにも、人により温度プロファイル(窯内の温度を上げていく時、下げる時の温度勾配)が違い、人により好みが違うので、時には窯の前で大喧嘩になることもあるとの事。

大雑把に言って上記のような問題があり、この飯田、下伊那、いわゆる南信州で赤松が年数回焚くだけ取れるのかと言うこと。

焼き物の種類によって全く温度プロファイルが違うとなると、1回1回温度プロファイルの同じようなものだけを集めて焼かなくてはならず、年間計画でも立てて、なおさらその上、同じものを焼く時でさえ喧嘩になるのというのでは困るので、複数の教室、個人が集まり事前に打ち合わせして温度プロファイルを決めておかないとまずいわけで、この仕事は思い付きでできるものではないと分かりました。

もっとも今はグループウェアーとして使える無料ブログがあるので、陶芸教室、サークル、クラブのリーダーだけのグループウェアーを作り、グループ編成表、年間計画表をサーバーに入れておき、それを見ながら、グループ編成をしたり、年間日程の調整をすることができますし、同じグループになった複数の集団内での事前の打ち合わせは、すべてのメンバーが平等に参加して検討過程が分かる状態のグループウェアを作れば、俺は私は知らなかったということはありえなくなるので、窯の前に来てプロファイルのことで喧嘩になるということは防げます。全国に散らばる陶芸愛好家間のこうしたインターネット利用でこのようなことが可能になるわけですが、まだインターネットを利用していない人もいるのでこれも一つのネックになるかもしれません。インターネット利用者だけで、十分な人数が集まればよいのですが。

こう考えてきますと、
先ず燃料の赤松が外部から購入することも含めて手に入るか。
インターネット利用ができる人だけで人数が集まるか。少なくとも、インターネットでホームページを持っている所は、リーダー間でのグループウェア編成は可能ですが。

それにしましても町おこしといっても、町外から人を呼ぶということは、インターネットを使わなかったらとてつもない時間と人手とお金が必要になることが分かります。燃料の薪の入手ばかりでなく大変なことだと分かりました。

明日は、問題として、品質に問題がある場合どうするかを考えておきたいと思います。


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